打算なんかで明日を選ぶな!

わざと齧っちゃったヤバいリンゴのお話

Let's get the party starrrrrrrted!! @はやしくん5/3昼口上

「GWですね」

Seasonsの後、滝様が健くんにそう話しかけたとき、何かが起こる予感はあった。でも。
「はやしくんて、分かります?」
いきなり、はやしくんがターゲットに選ばれるとは思わなくて。

「お豆みたいな顔してる子」で「すごくしっかりもので、練習を黙々とやる」はやしくんに、この日、二人の先輩が大きな無茶振りを仕掛けた。

「お化けの演目での一人三役、彼に絶対やらせたいなと思って、今回やらせたんですけど。あのシーンをやりすぎちゃって、最近ちょっと他のシーンでも出始めちゃってる。この後の口上でも、もしかしたら、ちょっと」

そうぶっこんで来た滝様に、健君が乗っかる。

「そういえば、さっきの季節の歌も、ちょっとビブラートがおどろおどろしかったナァ」「彼は役者気質だから(役に)入っちゃうかもね」

細かい部分に心が跳ねる。
「彼に絶対やらせたかった」とか、健くんがはやしくんのビブラートに気づいてる、とか、「役者気質」って言葉とか。

けど、それより何より、今、裏でどんな顔してるんだろう、ってどきどきが止まらなかった。

「いきなりですからねー。まぁ、彼、口上トップバッターなんでやらないと思いますけどw」
「なんか裏が騒がしいな」
「残念ながら歌舞伎の音響チームは初演からずっとやってる方なんで、アドリブ効いちゃうかもなぁ」
「プライベートでも出ちゃってるよ、今日楽屋に挨拶来た時こんな顔でさぁ(健くんがホラーなはやしくんの顔マネ)」

先輩2人、楽しそうに煽るだけ煽って。
基くんとげんげんの東西東西を挟んで、口上の幕開け。

はやしくんが姿を現した瞬間、全ての観客がはやしくんに注目している空気感に演舞場全体が包まれたのを感じた。
この子は何を言うんだろう。緊張しているのかな。大丈夫だろうか。
みんなが固唾を呑んで見つめる中、はやしくんはいつもと変わらぬ表情で、お豆のようなお目目で左右を見渡し、深くお辞儀。そして。

「本年も!日本の伝統文化、和のジャニーズ~」

いつもと全く同じ、明るい美声で口火を切るはやしくん。
あれ?っと一瞬、会場の空気が緩む。

「~心からうれしく思っております!」

そこまで明るい調子で一気に言うと。
一瞬のタメ。

「……そして…!」

一度、顔を伏せたかと思ったら、もう、つぶらな瞳をカッと見開いたおふゆさんになって*1*2、再び顔を上げた。おどろおどろしいSEとともに。

「滝沢君に選び続けてもらっているこの思いを…!誰よりも熱く、熱く…!胸に、刻み込む姿を…」

言いながらユラリと立ち上がり、

「しかと…!見届けるがいいーーーー!!!!」

片手を差し伸べて、絶叫。大熱演。

会場は割れんばかりの拍手喝采と、ヒューヒューな歓声に包まれた。
でもね、ここで終わりじゃなかったの。

座りなおした林くんは、仕切りなおして手をついて、少しトーンを落として、続ける。

「…いま、あなたの目の前にいるのは、林翔太!!」(SEバーーーン!)

再び、拍手喝采!

はやしくんのアドリブは着地がキレイ。去年のはやしくんと全く一緒で、これはある種、彼の性格なのかもしれないなぁ。
やり切ったはやしくんは、顔を上気させて、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ照れたような笑顔を浮かべてた。

ああ、林翔太ってこういうひと。いつも、どんな時も冷静で、仕事をやり切るひと。舞台の上で迷いや揺れてる姿は一切見せなくて、涼しい顔で困難にも対処していくひと。それを楽しんでるひと。
そして、今年のはやしくんは、与えられた役割や期待に、120%で応えるひと!

こんなはやしくんに、きっと誰かがまた恋をする、素敵な素敵なGWの幕開けです。

*1:声はおふゆさんではなかった

*2:心なしか一瞬で左目の下のクマが濃くなった気がした